今は日本株も米国株もAI銘柄も好調ですが、もちろんいつまでもこれが続くわけはなく、いつかは金融危機が訪れ僅か1ヶ月で1年分の利益が吹き飛ぶような事態が発生します。少なくとも我々日本人にとっては、いつ円高に傾いてオルカンやSP500といった外貨建て商品が下落するかは分かったものではありませんので、今から備えておくことは大切です。
円高に絞って言うと、たとえば為替ヘッジ有の商品や米国株以外に投資する商品の比率を高めておくことで、ある程度ショックを緩和できると思います。しかし金融危機となると、かなりの商品が1日5%とかのペースで下落するのでまさに焼け石に水です。そうなると「下落トレンドに入ったら売り逃げしよう」と考えるわけですが、投資信託の弱点として外貨建て商品の約定は(タイミングにもよりますが)概ね2~3日を要するので、その間にもどんどん下落します。
そこで考えたいのが「ベア系ETF」です。投資の世界は面白いもので「上昇に賭ける」だけでなく「下落に賭ける」商品もあります。それがベア系商品です。ただ経験上「下落に賭ける」というのはあまり健全でなく日常的な運用には向かない印象ですが、暴落時のショック緩和には使えそうです。そしてETFは投資信託と異なり、リアルタイム約定ですので迅速な対応が可能です。つまりシナリオとしては、暴落と判断したら投資信託を一定量売却しつつ、約定までのショック緩和として速やかにベア系ETFを購入する想定です。
実は2/13夜から2/14早朝にかけてダウ平均が1%以上下げましたので、実験的に2/14日中にベア系ETFを購入しました。もちろん今回はそのまま暴落するとは思っていないので、数万円程度の購入です。
まずはとある日経ベアETFですが、やはりここのところの日本市場は力強く、ダウ平均に比べると日経はさして下落しませんでした。しかしそれでも2/14はじわっと値上がりの傾向を見せましたので、米国株に引きずられて日経が暴落するシーンではショック緩和の役目を果たしてくれそうです。
次はとあるNASDAQベアETFです。こちらは明らかにNASDAQの下落に反応して値上がりしましたが、注意して欲しいのは2/14日中にじわじわ上がったのではなく、2/14取引開始時点でガツンと上がり、以降その日はほぼ値動きがないという点です。実は営業時間が全く異なる外国市場に連動するETFはどういう値動きをするのか気になっていましたが、どうやら外国市場で締まった価格ほぼそのままで、翌日本市場で取引されると思って良さそうです。つまり2/14に急いで買ってもその日は値動きがないので、さらに翌日も外国市場で下落しないとベアETFで利益が得られないということです。
結果的に米国株に連動するベアETFは1日遅れの対処になりますが、それでも感覚的には投資信託より1日早い感触です。また当然日経も同時に下落するでしょうが、そちらはベアETFで即日の対処が可能です。来たる金融危機の際は活用してみようと思います。